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Fine Guitars Repair Gibson ES-335
Gibson ES-335
このギブソンの335のヘッド折れにはドラマが有った。自分にとってはビジネスでも有るが、思い入れ深い仕事になった。
2012/06/19
僕はこのカスタムショップのデカールを何とか消さないように最大限の努力をした。
僕のギターだったら、直ぐ消してしまうだろう。
僕にとってブランドネームなど一切関係無いし、デカールで音が変化するはずが無いし くだらないとしか思っていない。
しかし、お客様、こう言うナイスな人物なら余計に消さないように努力する事が苦痛ではないのだ。(おかしい事を云っているが)
細心の注意を払い、胃が痛くなるような思いで仕事をする事が全うできる。
そして完成したこのギター。
O氏に早速画像を添付してメールを送ったら今朝返事が来ていた。
メールのタイトルは
「グレート!」
彼らしい。本当に人間味が有る。
僕は今52歳だが、もし息子が居たら絶対こう言うだろう。
「いいか!男の仕事は 自分の仕事は世界一だ!と誇れる仕事を考えて 努力して 自信を持て!」
自分は特別なんだ!と言う意識で仕事をしろ!」
昨日のストラトボディは僕の自由な発想の仕事、この335のヘッド折れは自由ではなく
再現する両極端な位置に居る
そのギャップが僕は実にスリリングだ。常に最高のパーフォーマンスを追う。
このコンビネーションを織り交ぜ僕は仕事を楽しんでいる。
責任に押しつぶされるばかりの仕事だったら. 僕は精神的におかしくなっていると思う。
今回新しい事にもチャレンジした。シーラー段階で、マホの材を硬化させるシーラーを使用したが、トラブルも有ったが このシーラーの特性も理解した。
次の仕事に活かせる。
僕は好奇心の塊の中で仕事をしたいし、それが無い仕事は地獄なのだ。
ギターの仕事をして喰ってる。このまま死ねたら本望である!
僕の人生は大成功だと言い切れる。
※ネックの半分でボカシテいます。ネックエンドは塗っていません。
エンドの角度で赤の色合いが濃くなっています。
ヘッド裏の今回タッチアップした部位も同じ色合いで濃くなっています。
これは、塗料の透かし、(フリップドロップと云う)専門用語が有るのですがこの為です。パーフェクトと言って良いと思っています。
完成 ↓
オーナーのO氏はとても人間味の有る人物。
うちにこのりペアを任せようと決めたきっかけは僕の…….
このブログ
で、決められたそうである。
こんな変なブログを書く男に会ってみたい。見たいな感じが有るらしい。
僕が、このギターを見た時にさらりと言ったそうである。
「直ります。任せてください」
そう、直すのは簡単。
しかし、どう直すかが問題である。
よくヘッド折れでHPで完成後の画像を載せている画像がある。
しかし、見てみるとソリッドカラーばかりである。
ブラック、ゴールド、ホワイト、全部塗りつぶせる色。
僕は、そんなカラーなら僕は眠ったって出来そうな気がする。
問題は、この様なシースルー。マホネックをいかに違和感なく仕上げるか!
赤黒くなったヘッド裏には絶対しない!
ココが僕の最大の課題だ。
塗料の特性、理論的に追い詰めて考え、こうするべきだと考え、前回のTAKも完璧に近い仕上がりを実現できたと思うが、今回はそれ以上を狙う。
仕事はルーチンで有ってはならない!
僕の仕事に対する意識は、仕事はチャレンジであり
遊びであり、。好奇心の集合体と考えている。
O氏に僕が説明する
「済みませんが、修理する過程においてGibson costom shop」のデカールは消えるかもしれません。」
その時、O氏は即座にこう答えられた。
「構いませんよ!直ればよいんです。ギターとして」
この言葉で僕は一発で彼に惚れてしまったと思う。
逆に消える事に失望する人間だったら、僕は間違いなく嫌いになったろう。
仕事はするが、この文字は消す、消えて当然と言う作業をしたと思う。
リペアマンは全部そうだと思うが、クライアントを好きになれば、クライアントの為に本当の努力すると思う。
ただ単にビジネスと片付けられないのだ。
それが人間だと思う。
僕は今回の仕事で、O氏に途中過程を画像をメールで送った。
彼はそのたびに表情ある人間味ある返事を僕に下さった。
色の問題だけでは無く接合にも万全を尽くす。
だから塗膜も これだけ剥離して作業する。